NPO法人 人材派遣・請負会社のためのサポートセンターとは

NPO法人 人材派遣と請負会社のためのサポートセンターは、人材サービス業界に携わる企業及びその管理者に対し、人事・労務管理を中心とする経営相談や教育支援活動を行っています。特に、企業及び管理者の法令順守についての意識改革や人事・労務に関する知識・スキル向上のための支援活動を通じ、派遣・請負企業の経営の安定とそこで働く従業員の生活の向上を図り、人材サービス業界の健全な発展に貢献することを目的としています。

NPO法人人材派遣・請負会社のためのサポートセンター

活動終了のお知らせ

NPO法人人材派遣・請負会社のためのサポートセンターは2008年秋に設立し、皆様方のご理解とご支援をいただきながら活動を進めてまいりましたが、諸般の事情により2018年1月末をもってその活動を終了させていただくことになりました。
その中で、当NPO法人の活動の柱として毎年開催してきました「派遣・請負問題勉強会」には毎年多くの方々のご参加をいただき、偏った見方になりがちな派遣労働について、冷静な議論を進めていくことができました。
残念ながら当法人の活動は終了いたしますが、重要性が増す外部労働市場の一翼を担う派遣労働への正当な評価と派遣労働者の社会的地位向上が更に高まることを祈念し、当NPO法人の活動終了・解散にあたってのご挨拶とさせていただきます。

NPO法人人材派遣・請負会社のためのサポートセンター
理事長 高見 修

 

 

1. 設立の経緯と目的  2. 活動内容
3. 2015年改正派遣法についての見解と人材サービス業界の課題

理事長 高見 修 
高見修 プロフィールと関連記事1関連記事2関連記事3
 

1.当NPO法人設立の経緯と目的
 
(1)設立時期と設立母体
 

当NPO法人人材派遣・請負会社のためのサポートセンター(以下、NPOサポートセンター)は、UAゼンセン人材サービスゼネラルユニオン(以下、JSGU)の支援のもと2008年秋に設立し、活動を進めています。
NPOサポートセンターの設立母体であるJSGUは、UAゼンセンを上部団体とし派遣・請負企業11社で働く派遣労働者約20,000名を組織している労働組合で、技術系派遣スタッフ(構成65%)を中心に、事務サービス系派遣スタッフ(同23%)、製造系派遣スタッフ(同12%)と多様な業種・職場・場所(北海道から沖縄まで全国)で働く組合員が加入しています(管理社員も派遣スタッフも、さらに有期雇用者も無期雇用者も共に働く仲間として組織化しています)。
男女構成は男性79%女性21%です。派遣・請負先職種で多いところは、ソフト開発(構成25%)、営業・販売(同17%)、機械設計(同16%)、製造業務(同14%)、施工管理(同11%)、電気・電子設計(同9%)等という構成になっています。また、JSGUは、組織化した11社毎の集団的労使関係を基本に各社の健全な発展と派遣組合員の労働条件向上に努める一方、組合運営としては日本で唯一、人材サービス企業11社を横断したかたちで活動をしているゼネラル型の労働組合です。

UAゼンセン人材サービスゼネラユニオン(JSGU)
労働政策審議会「同一労働同一賃金部会」の委員就任の報告と対応→詳細はこちら

2017年「均等待遇問題研究会」実地報告
4月25日<第1回開催> 開催内容→詳細はこちら
5月19日<第2回開催> 開催内容→詳細はこちら

 

(2)設立に至る経緯と目的
 

NPOサポートセンターを設立した2008年は、リーマンショックが起きた時で派遣切りが社会問題化され、派遣バッシングにより派遣制度に対する規制強化が声高に叫ばれた時期です。

このとき、マスコミや一部の労働界、政党から出された派遣イコール「ワーキングプア」「ひどい働き方」「派遣=悪」といったレッテル貼りにより、JSGUの組合員はもとより派遣で働く仲間の多くが傷つけられ、「なぜ、同じ職場で同じ仕事をして働いているのに、派遣というだけでこうした偏見に満ちた見方をされなければならないのか」「自分なりに誇りを持って仕事をしており、派遣も同じ“労働”として等しく見てほしい」と憤慨しましたが、マスコミ等ではこうした声がなかなか取り上げられませんでした。

こうした派遣労働に対する偏った見方が広まり派遣制度への規制強化が強まる中、派遣労働者への偏見と就労機会の減を招くのではといったJSGU組合員の不安に対処するため、JSGUとしては労働組合の枠を超え、広く社会に向けて人材サービス産業の健全な発展と派遣就労者の社会的地位向上のため、NPOを設立し活動を進めることとしました。

2.当NPO法人の活動内容
 

JSGU組合員をはじめ派遣で働く多くの人たちの思いは、「派遣という働き方を否定するのではなく、派遣も働き方のひとつとして認めたうえで、派遣のもつ問題点を改善して欲しい」「派遣はダメ、規制すべしといった派遣就労に対する否定的な見方ではなく、現状の正社員や直接雇用の従業員としては働けない事情を抱える人たちの就労の機会・働き方の選択肢として、派遣就労をみて欲しい」というものです。
こうした思いを受け、NPOサポートセンターとしては、
①    社会・マスコミ対策 => 派遣に対する正しい理解と偏った見方の是正
②    人材サービス業界対策 => 業界の健全な発展と派遣労働者の社会的地位向上
③    労働者派遣法対策 => 派遣労働者の保護を主軸とした法制度の確立
という3点を柱に種々の活動に取り組んできました。

これらの取り組みを進めるに当たり、当NPOサポートセンターの活動内容のPR及び活動への理解と賛同を得るため、設立当初の2009年より毎年、派遣問題を中心とした雇用・労働問題を共に冷静に考える場として「派遣・請負問題勉強会」を主要な活動として主催してきました。

具体的には、毎年、その時々の情勢に照らした年間テーマを設定し、年4~5回、各界学識者を中心とした講師によるセミナーを開催してきました(具体的開催内容)。また、この勉強会の講演内容を毎年まとめ講演集として発行、希望者に広く配布することで当NPO法人の活動内容の理解を深める一助としてきました(各年度の講演集概要)。

3.2015年施行の改正派遣法に対する見解と人材サービス業界の課題
 
(1)2015年9月施行の改正派遣法について
 

当NPOサポートセンターの活動の柱の一つとしてきた労働者派遣法改正問題は、派遣労働者の現状の生活と将来を左右する重要な問題であり、JSGUの派遣で働く組合員の意向を反映すべく、NPO法人サポートセンターとしては「派遣・請負問題勉強会」の継続開催による派遣問題への冷静な論議を広める一方、様々な機関への働きかけをおこなってきました。

今回の労働者派遣法改正では、ひとつ目に派遣事業を許可制一本とし派遣事業者の峻別と参入規制強化を行なったこと、二つ目に業務による派遣利用の期間制限を撤廃し派遣労働者個人の派遣期間制限に変えたこと、三つ目に派遣労働者への雇用安定処置やキャリア支援の強化を義務づけ派遣労働者保護を強く打ち出したこと、の3点がその特徴としてあげられます。

特に、二つ目の業務による期間制限から人への期間制限への改正は、制度発足以来30年続けてきた正社員保護優先とも言える「常用代替防止」の基本的考え方を後退させ、派遣を否定するのではなく派遣という働き方を認めたうえで、三つ目の改正点と合わせあくまで派遣労働者を中心としてその保護を推し進めようとする考えへの抜本的変更と受け止めています。このことは、前述のJSGU組合員をはじめ派遣労働者の思いにも添うものであり、まだ多くの課題はあるものの、基本的には歓迎しています。
また、派遣労働者の保護にあたって、今まで曖昧であった派遣独特の雇用区分をやめ、他の働き方とも共通する有期か無期かに整理統合し、不安定な有期派遣の乱用を防止する考えに集約した点も評価しています。

(2)人材サービス業界の課題
 

今回の派遣法改正では、マスコミ的には規制緩和が喧伝されていますが、派遣元企業にとっては許可制への一本化も含め、事業を継続していくにはむしろ大変厳しい規制強化となっています。派遣を利用すること自体への縛りはゆるめるものの、そこで働く派遣労働者そのものへの保護を事業者には厳しく求める内容と受け止めています。
特に、派遣事業者の義務となった派遣労働者への雇用安定措置とキャリア支援は、人材ビジネスに今後求められる重要な課題となりました。派遣労働者への新たな支援、先取りした支援をどうビジネスのなかで創造していけるかが、今後の人材サービス産業存立・発展の鍵だといえます。

一方、労働条件の改善やキャリアアップ等の教育問題は、事業主側の支援もさることながら働く側の自覚と主体的行動も不可欠です。それだけに、これらの問題の当事者となる労使がともに自分たちの企業・産業においてどうしていくべきか、直接話し合える土壌作りが必要です。企業だけで一方的に考えるのではなく、労働条件の改善や教育支援について提供者と受け手の労使がともに自らの問題として話し合い自分たちに合ったより良いものを築いていく、そのためには企業内の労働組合の結成と集団的労使関係作りが、今後の業界発展にとって重要な課題になってきています。

以上

最新情報